2006年度作品。日本映画。
東京の埋立地で女性が殺される。担当した刑事の吉岡は現場に自分の痕跡を見つけて困惑、犯人は自分なのではないかと思い始める。吉岡はやがて自分の前に現れる赤い服の謎の女を目にするようになる。
監督は「CURE」の黒沢清
出演は「Shall we ダンス?」の役所広司、「天使の卵」の小西真奈美 ら。
この映画で良かったのは映画全体に漂う雰囲気である。
地震といい、地面の液状化といい、役所広司演じる男の心象風景が再現されていて、不安が増すようにつくられているのが目を引く。
そしてその過程から、自分の中で封印している過去が暴かれていくところがいい。
小西真奈美がやたら母性チックに描かれているな、と思っていたが、そういう意図があったのですね。なかなか緻密につくりこまれていて感心した。
ややラストがわかりにくいが、幽霊という媒介を通して描かれる現実と幻想のあわいをホラーチックに描いていて(幽霊役の葉月里緒菜もやたらにこわかった)興味深い。
ただ残念なのは、だからおもしろい、と言い切れない点だろう。見終わった後、ふうん、そうなんだ、っていう程度のレベルに収まってしまう。要は映画そのものに力がないのである。
惜しいと言えば惜しい作品だ。
評価:★★★(満点は★★★★★)
制作者・出演者の関連作品感想:
・役所広司出演作
「THE 有頂天ホテル」
「SAYURI」
「それでもボクはやってない」
・小西真奈美出演作
「UDON」
・伊原剛志出演作
「硫黄島からの手紙」
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